ⓔコラム14-1-2 DAPA–CKD (dapagliflozin and prevention of adverse outcomes in chronic kidney disease) 研究

 血糖降下薬として使用されるSGLT2阻害薬が,2型糖尿病性腎臓病患者の腎予後改善作用をもたらす可能性がいくつかの大規模臨床試験で示されている.そこで,非糖尿病患者を含めたACE阻害薬/ARB を投与されているCKD患者4304例を対象とし,SGLT2阻害薬のdapagliflozinの腎機能と心血管疾患への影響が検討するDAPA–CKD試験が実施された.一次エンドポイントはeGFR≧50%の持続的減少+末期腎不全 (維持透析,腎臓移植,eGFR<15 mL/分/1.73 m2となった場合と定義)+腎疾患死+心血管死の複合とし,二次エンドポイントはeGFR≧50%の持続的減少+末期腎不全+腎疾患死の複合,および心血管死+心不全による入院の複合と設定されたが,両者に対してdapagliflozin群でプラセボ群をはるかに上回る有効性が認められたため,試験は早期終了となった.さらに,dapagliflozinの腎・心保護作用については,糖尿病患者と非糖尿病患者で差異を認めなかった.以上の結果より,今後は糖尿病の有無を問わず,CKD患者に対して心・腎保護作用を期待し,SGLT2阻害薬が広く使用されることが期待されている.しかし,その作用メカニズムなどについては,まったく明らかとなっていないことから,今後の研究が期待される.

〔西山 成〕